結論から書きます。「帰宅したら照明とエアコンが点いている」状態は、赤外線リモコン機能を持つSwitchBotのハブが1台あれば、工事も配線も追加せずに作れます。使うのはアプリの「オートメーション」機能です。条件を「位置情報」「開閉センサー」「時刻」「NFCタグ」のどれにするかで使い勝手が変わるので、この記事では5つのレシピを「必要な製品・条件・動作・注意点」の形でまとめます。
私は賃貸住まいの会社員で、壁に穴を開けられない前提でスマートホームを考えています。ここに書く手順は2026年9月時点のSwitchBot公式ヘルプとSwitchBot Magazineで確認した内容をもとにしています。アプリのバージョンによって表記が変わることがある点はご了承ください。
まず押さえる用語:「シーン」と「オートメーション」の違い
現行のSwitchBotアプリでは、複数の家電をまとめて動かす仕組みが2つに分かれています。
- シーン: 自分でボタンを押す、または音声アシスタントに頼んで実行する「手動」のまとめ操作
- オートメーション: 「条件」を満たしたときに自動で実行されるもの
オートメーションには「条件」(When)と、それに加えて絞り込みをかける「前提条件」(And)があり、「詳細オプション」から曜日や時間帯の「有効期間」を設定できます。条件として選べるものは、公式の案内では時刻、日の出/日の入り、デバイスの状態、NFCタグ、ジオフェンス(ベータ)、屋外天気(ベータ)などとされています。帰宅自動化で使うのは主に「ジオフェンス」「デバイスの状態」「時刻」「NFCタグ」の4つです。
必要なハブはどれか:赤外線リモコン機能のある現行モデル
2026年9月時点でSwitchBot公式サイトに載っている、赤外線リモコン機能を持つハブは次の4モデルです。
- SwitchBot ハブミニ :最も安価な入門機。センサーは内蔵していません
- SwitchBot ハブミニ(Matter対応) :ハブミニにMatter連携を足したモデル
- SwitchBot ハブ2 :ケーブル部分に温湿度センサーを内蔵し、本体に温湿度を表示
- SwitchBot ハブ3 :2025年5月発売の最上位機。温湿度センサーとディスプレイを備え、他の部屋の温湿度計やCO2センサーとの連携もうたわれています
「帰宅したらON」だけならハブミニで足ります。室温を条件に使いたいなら、温湿度センサー内蔵のハブ2かハブ3を選ぶと追加の温湿度計が不要です。どのモデルでも、最初にアプリでエアコンと照明のリモコンを登録します。対応リストにない機種は、手持ちのリモコンをハブに学習させる方式が用意されているとされています。
レシピ5選:帰宅・外出・就寝・朝・猛暑日
レシピ1:帰宅前に自動でON(位置情報トリガー)
- 必要な製品: ハブ(どのモデルでも可)、位置情報を使えるスマホ
- 条件: オートメーションの条件に「ジオフェンス(ベータ)」の到着側を選び、自宅を中心とした半径を設定
- 動作: エアコンの冷房または暖房をON → 照明をON
- 注意点: 公式ヘルプでは半径を200m以上にすることが推奨されています。狭すぎるとGPSのぶれで発火しないことがあるためです。また、オートメーションを作成したスマホの移動だけがトリガーになり、家族のスマホでは動かないとされています。スマホ側は位置情報の許可を「常に」にし、バッテリー最適化でアプリが止められないようにしておく必要があります。ベータ機能のため動作が不安定な場合があると公式にも書かれています
レシピ2:玄関ドアを開けたらON(開閉センサー)
- 必要な製品: ハブ、SwitchBot 開閉センサー
- 条件: 「デバイスの状態」で開閉センサーが「開いた」とき。前提条件に「有効期間」で夕方以降だけに絞る
- 動作: 照明ON → エアコンON
- 注意点: 開閉センサーには「外出」と「帰宅」を区別するモードがあり、これを条件にすると出るときの誤発火を減らせるとされています。位置情報より確実な反面、ドアを開けてから動くので部屋が冷えるまで数分待つことになります
レシピ3:外出したらまとめてOFF(位置情報+開閉センサー)
- 必要な製品: ハブ、開閉センサー(あれば)
- 条件: 「ジオフェンス(ベータ)」の離脱側。開閉センサーがあれば「外出モード」を条件にしてもよい
- 動作: エアコンOFF → 照明OFF
- 注意点: ここで赤外線の最大の制約が出ます。ハブは赤外線を「送る」だけで、エアコンが今ONかOFFかを「読み取る」ことはできません。機種によっては電源ボタンがトグル式で、OFF信号のつもりがONになることがあります。リモコン登録時に「ON」と「OFF」が別の信号として扱われているかを確認しておくのが安全です
レシピ4:就寝時と朝の照明を時刻で切り替える
- 必要な製品: ハブのみ
- 条件: 「時刻」で23:30と7:00の2本を作る。朝は「日の出」を条件にしても構いません
- 動作: 23:30に照明OFF・エアコンをおやすみ設定へ、7:00に照明ON
- 注意点: 時刻トリガーはいちばん確実に動きますが、外泊した日にも家電が動きます。「詳細オプション」の有効期間で平日だけに絞る、あるいは前提条件にジオフェンスの「在宅」を組み合わせる、といった調整で無駄な動作を減らせます
レシピ5:猛暑日だけ帰宅30分前に冷房を入れる
- 必要な製品: ハブ2かハブ3(内蔵温湿度センサー)、またはハブミニ+SwitchBot 温湿度計
- 条件: 「時刻」で退社時刻を条件にし、前提条件に「室温が30℃以上」を設定
- 動作: 冷房を27℃でON
- 注意点: 温度を主条件にすると閾値をまたいだ瞬間にしか発火せず、有効期間と組み合わせたときに意図した時間に動かないケースが公式ヘルプで案内されています。時刻を主条件、温度を前提条件にする順番が安全です
NFCタグを「保険」として置く
位置情報や開閉センサーは必ず動く保証がありません。玄関にSwitchBot NFCタグ を貼り、条件に「NFCタグ」を選んで同じ動作を登録しておくと、自動化が動かなかった日でもタッチ一回で同じ結果になります。
まとめ
- 「帰宅したら照明とエアコンON」は、赤外線リモコン機能を持つSwitchBotのハブ(ハブミニ/ハブミニ Matter対応/ハブ2/ハブ3)1台と「オートメーション」機能で作れます
- 位置情報トリガーは半径200m以上・作成したスマホのみ・ベータ機能という3つの前提を理解して使うのが前提です
- 赤外線は「送るだけ」で家電の状態を読めないため、OFF側のレシピはON/OFFが別信号になっているかを確認してください
- 確実さを優先するなら開閉センサー、手軽さを優先するなら時刻、保険としてNFCタグ、という組み合わせがバランスよく収まります