結論から書きます。エアコンを 「室温で自動的に動かしたい」なら Lapis です。nano を選ぶとその自動化は作れません。

理由は単純で、Nature Remo nano にはセンサーが一切載っていないからです。温度センサーも湿度センサーもありません。賃貸で一番作りたい「部屋が28度を超えたら冷房を入れる」という条件が、機械の側に存在しないわけです。

逆に、やりたいことが「毎朝7時にエアコンON」「家から離れたらOFF」だけなら nano で足ります。この2つは時刻と位置情報がトリガーなので、センサーが要りません。

公式ストアの価格は Nature Remo Lapis が7,980円、nano が4,980円です(2026年9月時点)。差は3,000円。この3,000円で何を買うのかを整理します。

比較表:決定的な差は「温度センサー」と「赤外線の強さ」

現行4機種を並べます。公式の比較表に載っている内容です。

Lapisnanomini 2Remo 3
価格7,980円4,980円6,480円9,980円
温度センサーありなしありあり
湿度センサーありなしなしあり
照度・人感なしなしなしあり
Matter対応あり(20台)あり(3台)なしなし
赤外線の目安30畳10畳30畳30畳

見ていただきたいのは太字にした2か所です。

温度センサーの有無は、作れる自動化の種類そのものを決めます。ここが Lapis と nano の一番大きな違いです。

赤外線の飛距離も見落とされがちです。nano は10畳程度とされていて、他機種の30畳と比べるとかなり控えめです。ワンルームで机の上に置き、エアコンが同じ壁面にあるような配置なら問題になりにくいですが、1LDK で「リビングに置いて廊下側のエアコンも」といった使い方は厳しくなります。

なお、人感センサーと照度センサーが必要なら Lapis でも足りず、Nature Remo 3 まで上げることになります。ただし Remo 3 は Matter に対応していないとされているので、「センサー全部入り」と「Matter」は現状どちらかを選ぶ形です。

nano で作れる自動化、作れない自動化

nano を検討している方向けに、線引きをはっきりさせます。

nano でも作れるもの

  • 時刻・曜日をトリガーにした操作(平日7時に暖房ON など)
  • GPS の位置情報をトリガーにした操作(自宅エリアを出たらOFF、近づいたらON)
  • Alexa / Google Home / Apple ホーム からの音声操作
  • Matter 経由で他社アプリから赤外線家電を操作(最大3台)

nano では作れないもの

  • 室温をトリガーにした操作(暑くなったら冷房、寒くなったら暖房)
  • 湿度をトリガーにした操作
  • 外出先からアプリで室温を確認すること

ペットの留守番や、子どもが先に帰宅する家庭で「室温が上がったら自動で冷房」を作りたいなら、nano は選択肢から外れます。ここは価格差で悩む部分ではなく、要件で決まる部分です。

Matter の接続台数も差があります。nano は3台まで、Lapis は20台までとされています。Apple ホームや他社アプリ側にエアコン・照明・テレビ…と並べたい場合、nano の3台はすぐ埋まります。

Lapis だけが持つ節電まわりの機能

Lapis には、他の Nature Remo にはない節電向けの機能が用意されています。エアコン代を下げたい人にとっては、ここが3,000円分の中身になります。

  • オートエコ:Nature Remo からエアコンを動かしているとき、設定した節電レベルに応じて設定温度を自動調整する機能です。冷房中は設定温度を上げ、暖房中は下げる方向に働くとされています
  • コスパ起動:起動時に温度を段階的に調整して消費電力を抑える機能とされています
  • 消し忘れアラート:誰もいない状態でエアコンが動き続けているときに通知する機能です

このほか、温度と湿度の組み合わせから注意を促す表示(熱中症アラート、インフルエンザ注意ラベル)もあります。あくまで参考表示なので、体調に関わる判断はご自身で行ってください。

これらは Lapis 専用の機能とされていて、上位の Remo 3 では使えないとされています。「上位機種を買えば全部入り」ではない点は注意してください。

Lapis は Bluetooth Low Energy のブリッジにも対応していて、Qrio Lock や SESAME といったスマートロック、mornin’ plus などを Nature のアプリ側に取り込めるとされています。賃貸で後からスマートロックを足す予定があるなら、この点も効いてきます。

賃貸で置くときに確認しておきたいこと

どちらを買う場合でも共通する注意点です。

Wi-Fi は 2.4GHz のみです。5GHz には対応していません。最近のルーターは 2.4GHz と 5GHz を1つの名前でまとめる設定(バンドステアリング)が初期状態で有効なことがあり、これがセットアップ失敗の定番原因です。うまくいかないときは、ルーター側で 2.4GHz の SSID を分けてから設定してください。

電源は USB Type-C ですが、ケーブルと AC アダプタは同梱されないとされています。手元に余っていなければ一緒に買っておくのが無難です。

**置き場所は「エアコンから見える位置」**にします。赤外線は壁を回り込みません。テレビ台の中や本棚の奥に押し込むと、届かないか、届いたり届かなかったりします。私が勧めるのは、エアコンと同じ部屋の、遮るもののない棚の上です。

そして、外出先からのエアコン操作で最も多いつまずきが 「送ったつもりが動いていない」 です。赤外線は一方通行なので、家電側が受け取ったかどうかは基本的に確認できません。アプリ上は「冷房26度」と表示されていても、実際のエアコンが止まっている、という状態はあり得ます。Lapis なら室温を見て判断できますが、nano では室温も分かりません。この「帰るまで確かめられない」不安を減らせることも、温度センサーの価値のひとつです。

まとめ

  • 室温や湿度をトリガーに動かしたいなら Lapis。nano はセンサー非搭載で、その自動化はそもそも作れない
  • 時刻と GPS だけで足りるなら nano(4,980円)で十分。価格差は3,000円ほど
  • nano は赤外線の目安が10畳、Matter は3台まで。ワンルーム+少数機器なら問題ないが、1LDK や機器を増やす前提だと窮屈
  • Lapis 専用の節電機能(オートエコ・コスパ起動・消し忘れアラート)は、上位の Remo 3 では使えないとされている
  • どちらも Wi-Fi は 2.4GHz のみ、USB ケーブルと AC アダプタは別途。エアコンから見える場所に置くこと