SwitchBot ハブ3 と Nature Remo Lapis どっちを買う:センサー・Matter・アプリの違い

Photo: Pascal 📷 / Pexels
賃貸でスマートホームを始めるとき、最初の1台はたいていスマートリモコンになります。工事が要らず、今あるエアコンと照明をそのまま自動化できるからです。
そこで必ず出てくるのが、SwitchBot ハブ3と Nature Remo Lapis のどちらにするかという問題です。価格は 14,980円 と 7,980円(いずれも公式・2026年9月時点)。ほぼ2倍の差があり、スペック表を並べても「この差は自分に必要なのか」が見えにくい組み合わせです。
先に結論を書きます。
- エアコンと照明を自動化したいだけなら Lapis。7,980円で必要な機能はそろいます
- これからセンサーや鍵・カーテンを足していくなら SwitchBot 側。ただし多くの人は ハブ3 でなく ハブ2で足ります
- ハブ3 の 14,980円は「本体を触って操作する」ための値段。ここに価値を感じないなら、差額は別の機器に回したほうが効きます
順に理由を書きます。
センサーの違い:作れる自動化の幅が変わる
いちばん効いてくるのがここです。
Nature Remo Lapis は温度センサーと湿度センサーの2つです。作れる条件は「室温が28度を超えたら冷房」「湿度が65%を超えたら除湿機」といった温湿度ベースのもの、それに時刻と GPS を足したものになります。賃貸のワンルームでエアコン中心に組むなら、これで困る場面はあまりありません。
**SwitchBot ハブ3 は温度・湿度に加えて、人感センサーと照度センサーを内蔵しています。**温湿度センサーは本体ではなく付属の USB Type-C ケーブル側に入っていて、本体の発熱から離して測れる作りになっています。
センサーが2つ増えると、条件に「人がいる/いない」「部屋が暗い/明るい」を混ぜられます。「暗くなってから人が入ってきたら照明ON」「30分人がいなければ全部OFF」といった、いかにもスマートホームらしいレシピはここで初めて作れます。Lapis ではこの2つは作れません。
なお、ひとつ下の SwitchBot ハブ2も温湿度センサーと照度センサーを持っています。人感センサーがないだけです。人感が要るかどうかは、後述する価格差の判断にそのまま効いてきます。
Matter の違い:どちらも赤外線家電を出せる。差は台数と中身
「Matter 対応」と書いてあっても中身は製品ごとに違うので、ここは分けて見てください。
両方とも、SwitchBot/Nature それぞれのアプリに登録した赤外線家電(エアコン・照明・テレビ・扇風機など)を、Matter 経由で Apple ホームや Google Home 側に出せます。古いエアコンを iPhone の「ホーム」アプリから操作したい、という目的はどちらでも達成できます。
差が出るのは台数と、そこに何を並べるかです。
| SwitchBot ハブ3 | Nature Remo Lapis | |
|---|---|---|
| 価格(公式) | 14,980円 | 7,980円 |
| センサー | 温度・湿度・人感・照度 | 温度・湿度 |
| Matter サブデバイス | 最大30台 | 最大20台 |
| 本体での操作 | ディスプレイ+ダイヤル+ボタン4個 | なし |
| サイズ・重さ | 126×94×29mm / 186g | 57×69×26mm / 28g |
| Wi-Fi | 2.4GHz のみ | 2.4GHz のみ |
ハブ3 の Matter サブデバイスは最大30台とされています(ハブ2 は8台、ハブミニの Matter 対応版は4台)。ここが効くのは、赤外線家電だけでなく SwitchBot のロック・カーテン・開閉センサー・プラグなども同じ枠で他社アプリに出す場合です。SwitchBot 製品を10台20台と増やす前提なら、8台の壁は意外と早く来ます。
Lapis の20台は赤外線家電が中心になるので、ワンルームや1LDK でエアコン・照明・テレビ・扇風機を並べる分には、まず埋まりません。
どちらも Thread には対応していません。Wi-Fi も 2.4GHz 専用です。ルーターが 2.4GHz と 5GHz を1つの SSID にまとめている場合、セットアップでつまずく定番の原因になるので、うまくいかないときは 2.4GHz を分けてから試してください。
アプリとエコシステムの違い:どっちの世界に住むか
ここは機能表よりも、この先2〜3年の買い足しに効く部分です。
**SwitchBot は自社製品の幅で勝負しています。**ロック、カーテン、ボット、開閉センサー、人感センサー、プラグ、カメラ、加湿器、掃除機——賃貸の「工事できない」を埋める機器がひと通りそろっていて、ハブはその中枢になります。アプリ1つで完結する代わりに、機器が増えるとアプリの中も相応に複雑になります。
**Nature は自社デバイスを増やさず、他社を取り込む方向です。**Lapis は Bluetooth のブリッジに対応していて、Philips Hue、SESAME、mornin’ plus などを Nature のアプリ側に取り込めるとされています。アプリはシンプルで、エアコンの操作画面と節電まわりに力が入っています。
節電機能は Lapis 側の強みです。設定温度を自動で調整する「オートエコ」、起動時の消費電力を抑える「コスパ起動」、誰もいないのに動き続けているときの「消し忘れアラート」が用意されています。エアコン代を下げたいという動機が第一なら、7,980円の Lapis のほうが目的に近いと言えます。
ハブ3 の 14,980円は何の値段か
ハブ3 には 2.4インチのディスプレイ、ダイヤル、カスタムボタンが4つ付いています。ダイヤルを回すとエアコンの設定温度が1度ずつ変わり、ボタンにはシーンを割り当てられます。ディスプレイには温湿度や天気、鍵の状態などを出せます。
**これは「スマホを開かずに操作できる」ための装備です。**そして、その価値が出るのは主に次のような場面です。
- 家族や同居人がいて、自分のスマホを渡さないと操作できない状態を解消したい
- スマホの操作が難しい親の家に置きたい
- 毎日触るエアコンの温度調整だけは、アプリより手で回したい
逆に、自分ひとりで使い、操作はほぼ音声とアプリ、という使い方ならディスプレイもダイヤルも使わなくなります。その場合 ハブ3 と ハブ2 の差は「人感センサーの有無」と「Matter 30台か8台か」だけになり、6,000円ほどの差額は正直きびしくなります。
置き場所の制約もあります。ハブ3 は 186g・126mm 幅で、見える場所に置いてこそ意味がある機器です。対する Lapis は 28g。壁掛けや棚の隅に置いても存在を主張しません。**「見せて使う機器」と「隠して使う機器」**という設計思想の違いだと考えると、選びやすくなります。
なお Lapis は USB Type-C ケーブルと AC アダプタが同梱されないとされています。手元になければ一緒に買っておいてください。
まとめ
- エアコン中心・節電したい・小さく置きたいなら Nature Remo Lapis(7,980円)。温湿度センサーで作れる自動化は十分あります
- 人感・照度を条件に使いたい、SwitchBot 製品を増やす予定があるなら SwitchBot 側。ただし人感が不要なら ハブ2(8,000円前後)で足りることが多いです
- 赤外線家電を Matter で Apple ホームに出すのはどちらでもできます。差は台数(ハブ3 は30台、Lapis は20台、ハブ2 は8台)
- ハブ3 の価格差は、ディスプレイとダイヤルで「本体から操作できること」への対価。家族や親が使う、スマホを開きたくない、という理由がないなら回収しにくい
- どちらも Wi-Fi は 2.4GHz のみ、Thread 非対応。セットアップでつまずいたら、まず SSID の分離を疑ってください


