ネット回線のない実家を見守る:格安SIM+Wi-Fiルーターでセンサーを動かす構成

Photo: Tanita Lupa / Pexels
先に結論です。実家に光回線がなくても、格安SIMを挿した据え置き型のWi-Fiルーターを1台置けば、SwitchBotのセンサーによる見守りは動かせます。センサーだけなら通信量は月数百MBの計算で、月1GB以内の小さなプランで足ります。
- 機器代の目安は、ルーター(1.5万〜2万円前後)+ハブとセンサー(1万円前後)で3万円前後
- 月額は、1GB以内なら119円で使えるデータ専用SIMがあります(2026年9月時点)
- 見守りカメラは通信量が桁違いに増えるので、小さなプランではセンサーだけにするのが無難です
構成:ハブ・ルーター・格安SIMの3点をそろえる
SwitchBotのセンサーは、Bluetoothで「ハブ」に情報を渡し、ハブがWi-Fi経由でクラウドに送ります。実家にWi-Fiがないなら、このWi-Fiの部分を「SIMを挿したルーター」に任せます。
センサー →(Bluetooth)→ ハブ →(Wi-Fi)→ SIMルーター →(モバイル回線)→ 自分のスマホ
そろえるものは次のとおりです。
- SwitchBot ハブミニ(Matter対応):6,000円前後。センサーの通知を外に届ける中継機です
- SwitchBot 開閉センサーとSwitchBot 温湿度計:冷蔵庫の開閉と室温を見る、見守りの基本の組み合わせです
- TP-Link Archer MR600:nanoSIMを挿して使える据え置き型のWi-Fiルーター。想定販売価格は17,380円とされています
- 日本通信SIM ネットだけプラン:データ専用のSIM。後述の通信量なら月119円の範囲に収まる計算です
センサーの選び方や通知の組み方は実家の見守りをSwitchBotで安く作る、ハブの違いはSwitchBot ハブはどれを買うで整理しています。
通信量の計算:センサーだけなら月1GBに収まる
SwitchBotのサポートページでは、ハブミニ・ハブ2・ハブ3の通信量は1時間あたり159kBとされ、Bluetooth機器をクラウドにつなぐ場合の1日の通信量は「159kB × Bluetooth機器の数 × 24時間」で計算できると案内されています。30日分にすると次のとおりです。
| センサーの数 | 1日の目安 | 1か月(30日)の目安 |
|---|---|---|
| 2台(開閉センサー+温湿度計) | 約7.6MB | 約230MB |
| 3台(+人感センサー) | 約11.4MB | 約340MB |
| 5台 | 約19MB | 約570MB |
5台でも1GBの半分ほどです。実際はアプリを開いたときの通信やファームウェアの更新も加わるので、私なら計算値の2倍くらいの余裕を見ておきます。
注意したいのは見守りカメラです。映像を送るため、センサーとは通信量の桁が違います。ライブ映像を見る時間や画質で大きく変わり、1日で数GB使ったという報告もあります。SDカード録画にして通知のときだけ短く見る使い方でも、月1GBに収まるとは限りません。カメラも置くなら、容量の大きいプランを前提に考えてください。
ルーターとSIMの選び方:4つの条件
1. バッテリーのない据え置き型を選ぶ ポケット型のモバイルルーターは、充電しっぱなしで使い続けるとバッテリーが劣化しやすいとされています。停電のあと電源ボタンを押さないと起動しない機種もあります。置きっぱなしにするなら、コンセントにつながっていれば動く据え置き型が向いています。
2. SIMの回線とルーターの対応バンドを合わせる ルーターが、SIMの使う回線の周波数(バンド)に対応している必要があります。Archer MR600は4G LTEのB1/B3/B5/B8/B18/B19/B26/B28/B41に対応しているとされ、国内の主要な回線を広くカバーしています。ほかの機種でも、仕様表のバンドを確認してください。
3. 物理SIM(nanoSIM)で申し込む ルーターにはSIMカードを挿すので、eSIMでは使えないことが多いです。
4. 2.4GHzのWi-Fiを出せること SwitchBotのハブは2.4GHz帯のWi-Fiにしかつながりません。Archer MR600は2.4GHzと5GHzの両方を出せるので、2.4GHzのSSIDにハブをつなぎます。
SIMは、日本通信SIMのネットだけプランの場合、ドコモの回線を使い、1GB以内の月は119円、1GBを超えた月は20GBまで1,200円とされています(2026年9月時点)。ほかの格安SIMにも月数百円の小容量プランがあるので、実家の地域でつながりやすい回線から選ぶのが基本です。
帰省前に自宅で済ませておくこと
実家での作業を短くするコツは、ルーターも含めて自宅で設定を済ませてから持っていくことです。ハブはルーターのSSIDとパスワードで接続しているので、同じルーターごと移せば、実家でWi-Fiを設定し直す手間を減らせます。
- SIMをルーターに挿し、SIM会社の案内どおりにAPN(接続先)を設定して、自宅でネットにつながるか確かめる
- ハブミニとセンサーをそのルーターの2.4GHzのSSIDで登録し、通知のオートメーションまで作っておく
- 実家では、ルーターを窓際など電波の入りやすい場所のコンセントに挿し、ハブはセンサーからBluetoothが届く部屋に置く
- 開閉センサーを貼った扉を開けて、自分のスマホに通知が届くかを確認する
電波が弱いと通信が途切れやすくなります。帰省前に、同じ回線のスマホが実家で問題なくつながるかを家族に聞いておくと確実です。
親には、見守りの目的を先に話して合意しておきましょう。そのうえで「ルーターとハブのコンセントは抜かないで」と伝え、本体にラベルを貼っておきます。停電のあとは、アプリでハブがオンラインに戻っているかを確かめてください。
まとめ
- 実家に回線がなくても、格安SIMを挿した据え置き型ルーターでSwitchBotのセンサー見守りは動かせます
- ハブの通信量は「159kB × センサー数 × 24時間」とされ、センサー3台で月340MB程度の計算です。月1GBの小容量プランで足ります
- ルーターは、バッテリーがなく、SIMの回線のバンドに対応し、2.4GHzのWi-Fiを出せるものを選びます
- 見守りカメラは通信量が大きく増えるので、小容量プランならセンサーだけにするのが無難です
- 設定は自宅で済ませ、実家ではコンセントに挿して通知を確認するだけにしておくと、帰省の1日で設置できます


